「ばいばい、みよちゃん!」

 ↑家人(53歳男)の本日の迷言でした。



 昼下がりに、上の家人が謎の鳴き声が鳴り止まないことに気付いて外に出たところ、生まれて数か月の掌に乗るサイズの子猫を発見したようです。
 そこで彼は何故か「けんじー、相談に乗ってくれー」と。わしに何をせいと言うねん。
 ただ、小さい頃から動物図鑑やら昆虫図鑑やら眺めるのが好きだったけんじは、子猫の様子を見てかなり逡巡した挙句一時保護しました。子猫は家と家の間を仕切るネットにひっかかって、身動きがとれない状況でいたのでした。このままでは腹部を圧迫して苦しかろう……
 手のひらサイズの子猫のやわらかいホルスタイン模様の毛は、薄汚れてしまっていました。ママンはどこで何をしているんだ! 子供ほっぽってパチンコか!

「相談に乗ってくれー」と言った発端の家人は右往左往してばかりでした。おいぃぃしっかりしとくれぇぇ!

 とりあえず牛乳を準備、浸した指を子猫の口元に持って行くと、小さい舌がちゅうちゅうと舐めるのでした。あああばばばめんこいのぅめんこいのぅ
 ただ、めんこがってもいられません。子猫は片目しか開いておらず、その目も白く濁っていました。目が見えてないんだなぁ……
 濡らしたティッシュで刺激を与えて、おしっこをさせてあげたり。ちょっ、ズボンに洩らしちゃダメだって(汗)

 その間家人は、ケージの中で首を伸ばすでかい犬と一緒に、遠目にけんじと子猫を見ていたそうな。おいぃ(ry
 冗談半分で「名前、何にする?」と訊いたけんじに、「そんなの決めたら愛着が湧いちゃうだろぉぉ」と家人は言ったそうな。

 うちにはすでにでかい犬がいらっしゃるので、子猫は飼えません、とほほ。
 そんなわけで元の場所に戻しました。あああ鳴いてる鳴いてるあばば
 踵を返すけんじと家人。家人は不自然な早足で戻って行きました。色々すっかり逆転してるよ、家人よ。

 そのあとしばらく、家人は鳴き声に苛まれたらしいですが、けんじは出かけてしまったのでここから数時間子猫のことは頭から離れます。
 3時間くらい後に戻った時には、子猫の姿はもうありませんでした。ママンに再会できたならいいけどなぁ……

 子猫にしっかり触ってしまったので人間の臭いが移ってしまっていなければいいなぁ、と思いましたが。
 無事ママンの元に辿り着けたということにしておくさ。元気でね!




 という一連の流れを兄に説明する際に、家人は
「元の場所に戻して……思い切って『ばいばい、みよちゃん!』と(心の中で言って)ね……」
 名前、付けてたんかい。初耳のけんじなのであった。