スライム保護団体

「斬鉄のアッシュ」逮捕

 メタル系スライム密猟現行犯で

 2日深夜アシュバル海岸の宝の地図ダンジョンにて、冒険家のアシュレイ氏(レンジャー)が、メタル系スライム族保護条例(通称メタル声明)違反の現行犯で逮捕された。アシュレイ氏は「斬鉄のアッシュ」という異名を持つメタル系スライム狩猟で高名な冒険者で、スライム保護団体から再三に渡る警告を受けたにも関わらず、逮捕当時も宝の地図に生息するメタルキングを狩猟していた。
 エルマニオン自警団によると、同氏の犯行動機は経験値目的であり、「レベル50の大台に乗り、スキルポイントが溜まらないことに不満を募らせた」と自白している。また、「宝の地図はどんどんレベルが上がっていて、魔物も凶悪さを増している。そのため、レベル上げでのパーティー強化が欠かせない。それなのに貴重な経験値源のメタル系スライムの狩猟を制限するのは理不尽だ」と自身の犯行を正当化している。また、一部の自治体からも「冒険者の来訪のおかげで潤っている町の活気を削ぐつもりか」と、メタル声明及びスライム保護団体への批判も相次いでいる。
 これに対し、スライム保護団体は「アシュレイ氏の犯行は、希少種であるメタル系スライムを絶滅に追いやる許し難い行為」とし、反対派との論戦を辞さない構えを見せている。
 アシュレイ氏の逮捕を機に、メタル声明の是非についてさらなる議論と対立が予想される。